JAPANミリテールフォーラム

ミリタリーモデリングディスカッションフォーラム (AFV, AIR, 艦船, フィギュア, ファンタジー, スケールモデル, ジオラマ&ヴィネット)

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  • #1 2015-10-03 16:28:29

    myouchin
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    登録日: 2015-07-28
    投稿: 182
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    TEMPLAR KNIGHT (young miniatures 1/10バストモデル)

    皆さん、こんにちは。
    ヤングミニチュアのバストモデルを制作しました。このフィギュアはひと目見て気に入っていたのですが、キリル・キアナフ(Kiril Kanaev)氏によるボックスアート作例があまりにもすごいのでしばらく購入をためらっていました。こういった上手すぎる作例はただ見る分には刺激を受けたり、色々勉強になったりと大変良いモノ(時には心を折られたりもしますが…)なのですが、同じキットを制作する、となると何とも悩ましいモノになってしまいます。単純に実力の差に引け目を感じる、という事もありますが、それ以上に問題なのは自分の中でイメージが定着してしまって、それ以外の完成品像をイメージするのが困難になってしまう事でしょう。今回の作品のペインティングも、私の中で「決定版」化したボックスアート作例にイメージが随分引っぱられてしまって、自分なりのモノに仕上げるのが中々難しかったです。制作前には技術的チャレンジとか歴史的背景をどう投影させるかとか色々考えていたのですが、いざ筆を取ると目の前の課題がこなせず、悪戦苦闘する内に頭の中にあったモノが半分以上ふき飛んでしまいました。しかし、最終的にはどうにか劣化コピーにはならずに済んだかな、と自分では思っています。

    肌は油彩、服その他はアクリル、金属色はタミヤエナメル、剣の刃のみクレオスのメッキシルバーネクストを使用しました。
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    #2 2015-10-03 21:39:45

    hiranuma
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    登録日: 2015-08-25
    投稿: 249
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    Re: TEMPLAR KNIGHT (young miniatures 1/10バストモデル)

    myouchin さん

    素敵です!
    前回のフルスクラッチに続いて鎖帷子がいい感じに仕上がっています。
    マントの風合いはまさに布製。
    剣の刃のクールさとともに、持ち手や袈裟懸けのベルトの皮の質感はなんとも言えないほどリアルです。
    瞳に精神が宿っているのが分かる秀逸な作品だと思います。

    製作工程など公開いただけると嬉しいです。
    いつか足元くらいのレベルまで到達したいと願う故。


    《AFV model 微細加工研究所 研究員》

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    #3 2015-10-03 23:41:54

    myouchin
    Member
    登録日: 2015-07-28
    投稿: 182
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    Re: TEMPLAR KNIGHT (young miniatures 1/10バストモデル)

    hiranumaさん、コメント頂きありがとうございます。

    この作品はフォーラムに参加後初の制作ということで、フィードバックを活かして今までやった事のない手法を色々と盛り込んでみよう、と気合を入れて臨んだのですが、顔の塗装で思わぬ苦戦をしてしまって中々想定していた成果は得られなかったような気がします。まあ自分の作品を客観視する事は難しい事ですが・・・。でも気に入ってくれたようでうれしいです。報われます。

    この作品はちゃんとしたデジカメを買ってから初めて制作したモノでもあるので、途中写真を撮って拡大画像で確認しつつ粗を修正する、という事をやってみました。なので途中写真は結構あります。需要がどれだけあるのか分かりませんがリクエストを頂けた事ですし、近い内にペインティングプロセスをまとめてみたいと思います。

    でもホントにコンフューズしながら塗っていたので内容はあまり期待しないでくださいね(笑)。

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    #4 2015-10-04 00:26:18

    S.Kikka
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    From: 愛知県
    登録日: 2012-02-22
    投稿: 209
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    Re: TEMPLAR KNIGHT (young miniatures 1/10バストモデル)

    素晴らしい仕上がりです!
    材質ごとの質感表現が絶妙ですね。レザーの表現が特に好きです!
    また、テンプル騎士ということで白を基調とした装いなのですが、どの白もごく自然なトーンで異なっていて、それでいて統一感が出ているように思います。

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    #5 2015-10-04 10:48:19

    myouchin
    Member
    登録日: 2015-07-28
    投稿: 182
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    Re: TEMPLAR KNIGHT (young miniatures 1/10バストモデル)

    S.Kikkaさん、はじめまして。コメント頂きありがとうございます。

    アルパインのボックスアート作例を手掛けているような方に評価して頂けるとは光栄です!
    フィギュアを塗る際にはいつも多くの作品を見てお手本にしていますが、S.Kikkaさんの作品(ヤングミニチュアのDAK兵士)も画像保存して研究させてもらいました。サイズが大きくてかなり拡大しても粗くならないのでとても参考になりました。

    白服は以前うまく塗れなかった事があってずっとリベンジしたいと思っていました。サーコートの白はもう少し黄ばませるべきでしたが、まあリベンジ成功という事でいいかなと思っています。
    マントも本当は織り目の描きこみに挑戦したかったのですが、顔で疲労困憊してしまったので今回は見送りました。こちらもいつかリベンジしたいです。

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    #6 2015-10-05 00:52:32

    Asuke
    Member
    From: 大分県
    登録日: 2015-09-09
    投稿: 63
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    Re: TEMPLAR KNIGHT (young miniatures 1/10バストモデル)

    ボックスアートに引きずられて劣化版コピー…耳の痛い話です…(笑
    しかし、myouchinさんの作品はさすがというべきか、完全に自身の作風を確立されてるなあと感じます。
    もちろん、言うまでもないですが今回の作品も素晴らしいと思います。難しい白のコントラスト、革の表現…と、素晴らしい点が多いのですが自分は特に顔の表情が気に入りました。遠くを見つめるような鋭い眼光はどこか歴戦の聖騎士の哀愁を感じます。
    肌は油彩ということですが、なんとも深みのある色がイイですね~。油彩の持つ深みに魅了されて一時期油彩を使ってたことがあるんですが、なかなか思うように行かず結局アクリルに逃げてしまいました(笑

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    #7 2015-10-05 19:10:44

    Kazufumi
    Administrator
    登録日: 2011-05-13
    投稿: 2,173
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    Re: TEMPLAR KNIGHT (young miniatures 1/10バストモデル)

    ボックスアート問題(笑)は常に付きまといますね。そこそこのペインティングだったら「よーし自分がこれを超えて造形のポテンシャルを引き出してやろう」というモチベーションになりますが、キリル氏のようにあまりにも超絶すぎると「凄いなーーー・・・よし、いつか塗ろう。」となりがちです。 (笑

    myouchinさんの塗りは自分のオリジナルスタイルをよく出していると思います。特にそれぞれのパーツの質感を丁寧に塗り分けているのが素晴らしいですね。
    あと、目の塗りが凄いですね。特に気合いが入っているように見えます。瞳の「丸」が特に説得力のある塗りに感じます。丸って結構難しいですからね。

    白の表現も素晴らしいです。白は最も難しい色の一つですが、オフホワイト寄りのマットな質感が布を感じさせます。(服は特にツヤに注意すべき部分と私は思ってます)

    個人的には肌にもう少し黄色成分や他の色を入れてもいいかなと思いますが、この辺は好みでしょうね。


    "Real artists ship. " --Steve Jobs
    "The art challenges the technology, and the technology inspires the art. " --John Lasseter
    活動サイト:planetFigure, Putty & Paint

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    #8 2015-10-05 23:26:13

    myouchin
    Member
    登録日: 2015-07-28
    投稿: 182
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    Re: TEMPLAR KNIGHT (young miniatures 1/10バストモデル)

    Asukeさん、コメント頂きありがとうございます。

    いや~劣化コピーはホントによくある話ですね。私も過去にションボリなモノを完成させてしまった事があります(苦笑)。

    Asuke さんの発言:

    遠くを見つめるような鋭い眼光はどこか歴戦の聖騎士の哀愁を感じます。

    私は無信仰者なので歴史事象としての十字軍を知る事は出来ても、それに参加した人々や聖地の防衛に生涯を捧げた修道騎士たちの心性は中々理解出来ません。
    しかし解らないなりに惹かれるものはあるので、「心頭滅却すれば火も亦た涼し」で有名な快川紹喜の(別の人の言葉である可能性もあるそうですが)逸話や、日中戦争に従軍した方の証言(多くの捕虜を銃剣で処刑したが一人も取り乱したりせず、皆静かに死んでいったのが印象的だったそうです)を思い出しながら、自分なりに死を期した人間はどんな表情をするのだろうか、と考えながら塗っていきました。
    でもそんなのは最初だけで途中からワケが分からなくなってしまいましたが、完成したものを見ると何かしらそういった雰囲気は出せたかな、と思います。

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    #9 2015-10-05 23:31:09

    myouchin
    Member
    登録日: 2015-07-28
    投稿: 182
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    Re: TEMPLAR KNIGHT (young miniatures 1/10バストモデル)

    Kazufumiさん、コメント頂きありがとうございます。

    ボックスアート作例はやっぱりヴァーリンデン位のクオリティが丁度いいかもしれませんね。作例の良し悪しは売上にどの程度影響があるのでしょうか・・・気になります。
    オリジナリティがあるかどうかは自分ではよく分からないのですが、もしあるならばうれしいですね。
    目は本当に苦戦しました。かなり後の方まで修正を繰り返しましたが、その甲斐はあったようです。キャッチライトも今までは「光が映り込んでいる」感じが出せなくて、いかにも「塗った」ようにしか出来なかったのですが、今回は中々いい感じになったと思います。
    服のツヤは人によって許容範囲が違ってくると思いますが、私も元々ツヤの無い部分は徹底的にマットにしたい派です。

    肌の色に関しては、Kazufumiさんの作品(ライフミニチュアのソ連兵)を画像保存して研究してみて(かなり複雑な色使いをされているように見えました)、こういう感じのやってみたいな、と思ったのですが、今回のフィギュアは日差しの強い地域、初老の域に達した年齢を設定していたので、色素が沈殿したような日焼けした肌を目指してみました。でも何だか中東っぽさとはチョット違う感じですね。ヴァイキング風というか・・・北海の荒波が似合いそうです。

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    #10 2015-10-15 21:23:51

    myouchin
    Member
    登録日: 2015-07-28
    投稿: 182
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    Re: TEMPLAR KNIGHT (young miniatures 1/10バストモデル)

    今回の作品のペインティングプロセスをまとめてみました。なるべく詳細に解説してみたつもりですが、言葉足らずで分かりにくい部分があるかもしれません。どうかご容赦ください。また、絵具等の専門的知識に欠ける人間が僅かな個人的体験を元に書いているので、ひょっとしたら先入観や思い込みで間違った事を書いてしまっているかもしれません。もし怪しい所があったら指摘して頂けると有難いです。


    ヘッドから始めます。少しだけディティールアップしました。
    mini_none_20151015-0535.jpgmini_none_20151015-0536.jpg
    盾の吊り革の取り付け方が曖昧なので、プラ板とモデルカステンのリベットで金具を新造しました。資料的根拠はありません。デッチアップです。盾の表のリベットも削り落としてしまいます。
    眼球のモールドが甘いので彫り直します。またボックスアート作例では左頬から小鼻にかけて傷があるのですが、キットにはモールドがありません。描き込みのようです。スカーフェイス好きなのでこれは残念、位置を変えてタミヤのエポキシパテで傷を再現しますが、後に修正するハメになります。
    ヘッドとボディの接着面にはガイドが設けてありますが、かなりグラつくので削り取り、埋めてしまいます。また、そのままだと顔が若干下向きになってしまうので、1mmプラ板を貼ってから削って角度を調整します。バストモデルは顔が僅かでも下を向いていると、何故かションボリとうなだれているように見えてしまうので注意が必要です。


    筆について。
    mini_SA.jpg
    右からウィンザー&ニュートン シリーズ7ミニチュア1番と同000番:あまり説明の必要はないでしょう。とても良い筆です。ただしどんな筆にも言えることですがアタリハズレはあると思います。
    精雲堂 5/0 KSと同 5/0 CW:KSはコリンスキーでCWは玉毛です。総合的な性能はシリーズ7に劣りますが、穂先のまとまりの良さと耐久性は同じ位優れています。模型店でも扱っている店は多いので入手しやすいのも魅力です。KSの方が扱いやすいですが、CWはコシが無いので最初は扱いづらいものの、慣れてくると目等の曲線を描くのに向いている気がします。
    ホルベイン ニューリセーブル(オイルカラーリセーブル)シリーズ2100F 0番:ブレンディングに使用します。油彩の場合色を塗る筆よりもブレンディング用の筆の方が重要かもしれません。この筆はコシが非常に強いので油彩のブレンディングに適しています。Snakestoneさんのサイトで知りました。


    油絵具を使用した塗装法は基本的には松岡寿一氏の『HISTORICAL FIGURES OF JAPAN 深遠なる甲冑模型の世界』に倣ったものですが、自分に合ったアレンジを加えています。
    mini_s3.jpg
    タミヤアクリルのフラットフレッシュ+フラットレッド+レッドブラウンを薄く吹き付けます。油彩は全般的に透明度が高く色透けしやすいので、下塗りはしておいた方が無難だと思います。画像では分かりにくいのですが、シャドウの最暗部となる部分にファレホのバーントカドミウムレッドを塗っています。やはり色透け防止のためです。ここら辺はロベルト・デップ氏の手法に倣っています。


    mini_s4.jpgmini_s5.jpg
    目の塗装に入ります。まず白目をアクリルで塗ります。アクリルはジョソーニャをメインにファレホ、ホルベインのアクリルガッシュを取り混ぜて使っています。色名の後に(V)とあるのがファレホ、(AG)がアクリルガッシュ、表記の無いものはジョソーニャです。
    スモークパール+カーボンブラックで眼球の上の方を暗く、下を明るく塗ります。次に瞳をタミヤエナメルのフラットブラックで塗ります。大スケールのフィギュアでは瞳の形状、位置、大きさを左右でキッチリ整えて描く事が重要だと思います。Kazufumiさんも言及していたように瞳を丸く描くのは意外と難しいものです。うまく描けたように見えても、じっくり見てみると楕円形になっていたり、左右で大きさが違っていたり、斜視のように見えたり、といった風になりがちで、小スケールの目描きとはまた違った難しさがあります。タミヤエナメルなら溶剤を含ませた筆で容易に修正出来るので、こういった作業には向いていると思います。


    mini_s6.jpgmini_s7.jpg
    アクリルのバーントアンバー(V)+レッドアースで瞳の外周部の黒を残すように塗り、イエローオーカー(V)+ネイプルスイエローヒューでグラデーションをつけ、瞳孔をジェットブラック(AG)で入れます。いつもはここでキャッチライト入れるのですが、今回は今までのやり方を見直すためにまだ入れない事にします。
    この後油彩を使うので念のため水性ニス(アシーナのBBポリウレタンバーニッシュ マット)を筆塗りして目を保護しておきます。54mmでは瞳は全てエナメルで塗っているので、その場合は一工程ごとにニスを塗る事になります。
    油彩のカドミウムレッド+コバルトブルー+ライトレッド+チタニウムホワイトで目の端の赤みを塗り、乾いた面相筆でぼかします。目はこの後大幅に修正する事になってしまったのでこれらの画像はあまり意味が無いのですが、手順としてはいつもはこんな感じでやっています。


    ここからは油彩をメインに使用しますが、その前に油彩のツヤについて触れておきます。赤熊でも書きましたが油彩はブレンディングを繰り返していくとどうしてもツヤが出てしまいます。以前はハンブロールのマットコートを吹き付けてツヤを消していたのですが、そうすると印象が大きく変わってしまいます。具体的にどんな感じになるのかというと・・・

    1 ツヤが消えて全体の明度が上がる事でコントラストが弱くなる。
    2 色味が変わる事がある。例えば南北戦争の北軍の軍服のような紺色は、黒っぽく塗ったつもりでも青みが非常に強く出てしまいます。
    3 ブレンディングの粗がはっきり分かるようになる。

    以上の変化が一遍に目に飛び込んできて愕然としてしまいます。この変化は小さ目スケールだとそれ程には感じませんが、今回のような大き目スケールだとかなり顕著に感じられます。
    現在はツヤを消すためにタバコライオンを1:1位の割合で混ぜています。ツヤは良く消えるのですが(完全なマットではなくサテン位)、残念ながらブレンディングがやりづらくなってしまいます。ブレンディングのやりやすさは油彩の大きな利点なので、そこを犠牲にしてしまうのは邪道かもしれません。まだ研究の余地はありそうですが・・・。


    油絵具はマツダクイックスペシャルを使用しています。乾燥が早く真冬でも丸一日程度で上塗り可能になりますが、取り扱っている画材店は少ないようです。それと一色だけシャドウに使う色としてウィンザー&ニュートンのブラウン・マダー・アリザリンを使用しています。松岡氏のレシピにある色でクイックスペシャルには相当する色が無いのですが、現在は廃番になっているようです。
    希釈はペトロールではなくタミヤエナメルの溶剤で行っています。なんとなくペトロールよりもツヤが出にくい気がするのですが、気のせいかもしれません。薄める時の粘度は熱したラード位でしょうか。
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    最暗部をブラウン・マダー・アリザリンで塗ります。この色に基本色(ジョンブリヤンNO2+ローシェンナー+カドミウムレッド+コバルトブルー)を混ぜて段階を上げていきます。
    ブレンディングは色を加える毎に行います。乾いた筆で色の境界をなぞってぼかすわけですが、その際の筆の動きは色の境界線に対して垂直になるようブラッシングします。シャープな感じにしたい時は境界に対して平行にブラッシングしたりもしますが、基本的には垂直がやり易いと思います。グラデーションの緩急はブラッシングの回数や強弱で表現します。
    ブレンディング用の筆はワイパーかペーパータオルで常にきれいにするよう心がけます。ティッシュペーパーは繊維くずが付着するので使わない方がいいでしょう。


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    上の左の画像は3段階のシャドウを塗り終えたところです。色の階調は基本色+シャドウ3+ハイライト3の7段階を基準にしていますが、1/10ともなるとこれよりも増やさないと密度が足りません。ここら辺はフィギュア毎にケース・バイ・ケースで対応します。またグラデーションは明るい色に暗い色を重ねるよりも、暗い色に明るい色を重ねていく方がやり易いので、シャドウは広めに塗ってしまって構わないと思います。
    右の画像は3段階のハイライト(基本色+ジョンブリヤンNO2)を塗り終えたところです。なんだかサルみたいですが一巡目はいつもこんな感じです。シャドウを塗る→ブレンディング、ハイライトを塗る→ブレンディングの工程を繰り返していくわけです。


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    どうにも写真がうまい具合に撮れないので、撮影ブースとレフ板を使用する事にします。上の二枚の画像は二巡目を終えたところです。そろそろ目が気に入らなくなってきました。
    シャドウとハイライトによる色の変化だけでは単調になってしまうので、基本色+カドミウムレッドオレンジを差し色として頬、眉間、小鼻等に加えます。面相筆でチョンチョンとシミのように色を乗せて、ブレンディング用の筆でポンポンと叩いて馴染ませます。


    mini_s15.jpgmini_s16.jpg
    三巡目。まだサルっぽいです。この頃は大分コンフューズしてました。目を修正していますが、左右非対称になっているのがよく分かると思います。こういった粗はスケールが大きいほどよく目立ちます。
    またミミズ腫れのような傷痕がどうにも気に入らなくなってきたので、修正します。


    mini_s17.jpg
    モールドを削り落とし、ナイフで切り込みを入れて、モデリングペーストを塗って縫合痕をそれっぽく再現します。ドライヤーをあてればすぐ乾燥するので、例の三角チップペーパー(『フィギュアの表面処理』トピック参照)で整形します。こういった事はやらずに済めばそれに越した事はないのですが・・・。


    mini_s18.jpgmini_s19.jpg
    髪とひげを大まかに塗ってみました。かなり印象が変わったと思います。色は隣り合う色の影響を受けるため、乗せる色によっては肌のトーンが変化して見えてしまう事があるので注意が必要です。
    今回初めて皮膚のテクスチャーの描き込みによる表現に挑戦してみましたが、結果は惨敗でした。ヘッドルーペを着用して面相筆でチマチマと描いてみたものの、肉眼では殆んど判別できず、それでいて画像を拡大して見るとまるでゴッホの絵のよう。補正してどうにか見られる程度にはなりましたが、想像以上に難しい表現でした。Sang Eon Lee氏原型・塗装のジョン・F・ケネディ(ライフミニチュア1/10)や、Jason Zhou氏制作のカエサル(ナッツプラネット1/10)をお手本にしたものの両氏との実力差は歴然。世界は未だ遠い事を痛感しました。


    mini_s20.jpgmini_s21.jpg
    髪・ひげ・眉毛を本格的に塗ります。油彩の上にアクリルを重ねるのはマズイらしいので(具体的にどうマズイのかは私には分かりません)、最初の一層はエナメルで塗り、後はアクリルのランプブラック(AG)+ローアンバー(AG)+スキントーンベースで塗ります。髪の塗装についてはユン・ギョルさんの『髪塗装方法。』トピックを参照してください。塗料と色は異なりますが、手法はそっくりマネしています。とても役に立つトピックです。
    目のキャッチライトはタミヤエナメルのフラットホワイト+フラットフレッシュで入れて、これにクリヤーを混ぜたもので輪郭をぼかすように塗ります。初めてやった手法ですが中々効果的です。唇は肌の基本色+カドミウムレッド+コバルトブルーで塗り、これにチタニウムホワイトを加えた色でハイライトをつけ、さらにアイボリーブラック+ブラウンマダーアリザリンを薄めたものを上塗りします。


    mini_s22.jpgmini_s23.jpg
    髪が黒々とし過ぎているので薄めたローアンバーで補正、眉・耳・唇を微修正し、これでヘッドの塗装は完了です。

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