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  • #1 2017-09-03 00:04:55

    かば◎
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    1:35 75mm対戦車砲PaK97/38

    しばらく新規に書き込むことがなかったので、暇ネタ的に、プロフィール画像に使っている75mm対戦車砲PaK97/38の製作記を書いてみようと思います。

    工作を終えただけで塗装はしていない中途半端な状態ですが、とりあえず、その時点までのアレコレを徒然書いてみます。ドイツの対戦車砲のなかでもだいぶマイナーな存在なので作る方は少なそうですが、何かの参考になれば幸いです。

    ●実物は、フランス製の1997年式75mm野砲(Canon de 75 modèle 1897)を改修したものです。97年式野砲は世界初の油気圧式駐退復座機を備えた画期的な野砲で、第一次世界大戦で使われたほか、第二次世界大戦でもフランスだけでなく、ポーランドほか各国で現役でした。「シュナイダーの75mm」と呼ばれることもありますが(昔TOM/RPMで出ていたキット名もそうだった)、これは誤りで、シュナイダー社は関係していないそうです。

    ドイツはその砲を大量に鹵獲、保有していましたが、ソ連戦車に対しそれまで使っていた対戦車砲がまるで無力だったため、本命の75mmPaK40が出揃うまでのストップギャップとして、50mmPaK38の砲架に97年式野砲を載せた即席対戦車砲をでっち上げて投入しました。これが今回作るPaK97/38です。

    本家ドイツ軍部隊だけでなく、フィンランド軍などにも供与されたので、物持ちのいいフィンランド国内のあちこちの博物館に実物が残っています(フィンランド以外にも残っていますが)。

    ●1:35のインジェクション・キットは、ドラゴンとイタレリから出ています。なんとなくドラゴンのほうが新しそうなイメージですが(私の勝手な思い込み?)、ドラゴンは2000年、イタレリは2007年の発売で、イタレリの方が新しいです。

    mini_F1017127.jpg

    部品のシャープさ加減で言うとどっちもどっち、いや、むしろドラゴンのほうがちょっといいかな? くらいの感じなのですが、後述のように、基本的なプロポーションに関して、ドラゴンのキットはまるでおかしいので、基本はイタレリのキットをベースに、一部ドラゴンのパーツを流用して作り上げることにします。

    編集者 かば◎ (2017-09-03 11:02:04)


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    #2 2017-09-03 01:49:06

    かば◎
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    Re: 1:35 75mm対戦車砲PaK97/38

    ドラゴンとイタレリ、基本パーツの比較をしてみます。

    ●まずは肝心の砲本体。

    ドラゴンのほうがイタレリよりやや短く、さらに、三段になった各部のバランスはまるっきり違っています。写真は上段グレーがドラゴン、下段ブルーがイタレリです。揺架も砲身同様に長さが違っています。

    mini_97barrel01.jpg
    mini_F1017319.jpg

    wikipediaには、元のM1897野砲の砲身長は2700mm、PaK97/38の砲身長が2722mmと書いてあります。PaK97/38はドイツでの改修によりマズルブレーキが付いていますが、さすがにマズルブレーキの長さが22mmということはありえないので、22mmは元資料の誤差か、あるいはマズルブレーキは含めないにしてもリングだの何だのが加わったための違いかと思われます。

    とりあえず、1:35での誤差は1mmもないので深くは追求しないことにして、上記寸法を1:35にすると77~78mmというところ。マズルブレーキを含めない砲身長はイタレリが77.5mmで、ほぼ合致します。

    三段になった部分のバランスは、中間部分(B、B')がドラゴンは明確に短く、そのぶん前後が長くなっています。これに関しても、実物のほぼ真横からの写真を見ると、ドラゴンのものは明らかに違っています。

    ちなみに、TOM/RPMのM1897野砲のキット(これはこれでだいぶプリミティブな出来ですが)は、下写真のように、イタレリの砲身とほぼ同じ長さ・バランスになっています。

    mini_F1017294.jpg

    なお、私がこれを製作した後のことなのですが、友人から、フィンランドのミッケリ歩兵博物館で撮ったという写真と、防盾より前方の計測結果を貰いました。持つべきものはフィンランド軍マニアの友人なり。

    mini_measureedgedc9260b.jpg

    上のパーツ比較図とは記号の示す場所が違っていますが、

    A:マズルブレーキの長さ(本体のみ)=305mm
    B:マズルブレーキから、その後ろの砲身下突起部、リング部も含めた長さ=405mm
    C:マズルブレーキから砲身前端中央(第一の段)までの長さ=1110mm
    D:中央の段(第一の段)から砲身前端後部(第二の段)までの長さ=870mm

    ――だそうです。ぴたりとは行かないものの、イタレリの方が近いのはこれでも確認できます。

    ●防盾も、並べてみると解釈にだいぶ違いがあるのが判ります。

    mini_F1017315.jpg

    縦幅がかなり違いますが、それだけでなく、真横から見た時に、イタレリは左右の上端が前面に対しほぼ直角であるのに対し、ドラゴンは斜めにやや切れ上がった形になっています。とりあえず全体形に関してはドラゴンの形状のほうが近そう。

    一方、中央の砲身が通るスリット部分は、イタレリは上部が丸いのに対し、ドラゴンはくさび形です。これは、ドラゴンのパーツが(砲身が細い)50mmPaKの形状をそのまま流用してしまったため。この形状のままだと、75mmPaK97/38ではちゃんと仰角が取れなくなってしまいます。照準器用開口部は、ドラゴンもバッチリとは言い難い感じですが、少なくともイタレリは明らかに大きすぎます。

    ●ほか、両キットの大きな違いは車輪です。

    mini_F1017318.jpg

    写真は左からドラゴン、イタレリ、イタレリの人力移動用補助車輪で、イタレリは補助車輪のみ、ドラゴンの主車輪と同一タイプの車輪となっています。

    このホイール本体部分の形状の違いは、実物(PaK38もPaK97/38も)でも見られるものですが、ドラゴンとイタレリとでは、ゴムリム部分の厚みも違っています(ドラゴンは約2.5mm、イタレリは約3mm)。

    これに関しては、現存の実物写真をよく見比べると、ディスクタイプの車輪は薄く、スポークタイプは厚いようです。つまり、ドラゴン、イタレリとも主車輪については正解、ただしイタレリの補助車輪は(スポークタイプと同じ厚みになってしまっているので)厚すぎ、ということになります。

    ちなみにトレッド面は、実物はドイツの火砲のソリッドゴムリムでは定番の、縦溝で三分割された形状なのですが、ここは両社とも単純な段差モールドでお茶を濁しています。

    編集者 かば◎ (2017-09-04 08:22:09)


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    #3 2017-09-03 17:50:33

    かば◎
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    Re: 1:35 75mm対戦車砲PaK97/38

    大砲というのは基本、「機能がほぼすべて表から見える」ため、模型を作る場合に細かいパーツがぎっしり詰まって面倒な一方で、個々のパーツについて「これはいったい何の役割を担っているのだろう」と想像しながら組む楽しみがありますね。……なんて言うと、パッヘルベルさんに「今さらそんなことに気付きましたか」と言われそうな(笑)。

    とりあえず、そんな考察コミで、実際の製作を進めていこうと思います。

    ●まずは砲本体。

    前回書いたように基本形状はイタレリのほうがずっと実物に近く、そちらのパーツを使用することにしますが、マズルブレーキはやや大きめです。当初はその辺り目をつぶって、単にモールドを頼りに穴開けをして使おうかと思いましたが、折よく模型店でRB models製の金属砲身を見付けたので購入。これを使用することにします。シャープな真鍮製マズルブレーキが入って1100円でした。

    mini_F1017492.jpg

    「金属砲身を使うなら、前回の砲身部品の2社比較はどうでもよかったんじゃ……」と思う方もいるかもしれませんが、RB modelsの砲身は、あくまで前半(前寄り段差から前方)を挿げ替えるだけのものなので、キットパーツのバランスがほぼそのまま受け継がれることになります。

    ただし、マズルブレーキ周りについてRBに替えれば一発解決とまでは行かず、実物写真と見比べるといくつか差異も目に付くので、そのあたりに手を入れます。上の購入時点ママの写真と比較しての変更点を以下に。

    mini_F1017680.jpg

    ①マズルブレーキ本体が、長さに比べて太すぎる気がしたのでヤスった(もっとも厳密な作業でなく、適当にペーパーがけしただけ)。

    ②マズルブレーキのエラが角張り過ぎている感じだったので、若干ヤスって丸めた。

    ③マズルブレーキの「首」部分が長過ぎるので切り詰め。

    ④この砲の特徴でもある砲身下の突起が付くリングは、イタレリ、ドラゴンともに単純にたががはまったような表現になっていますが、実物では偏心しており、上部ではほとんど段差がありません。RBのパーツはリングのパーツの内径が少し大きいので、そのままずらして接着しました。この下の突起は(後々述べる理由により)正確に位置が決まっている必要があるので、この偏心はたまたま部品がいい加減に付いているわけではなく、それが正規の状態です。もっともこうして見ると、作例ではあまり偏心が目立たず、もう少し太いパイプに交換すべきだったかも。

    ⑤最後部のリング部分を1.5倍ほど?(適当)延長。汚く灰色になっているのは、継ぎ目が消えているかどうかサーフェサーを塗って確認したため。

    ⑥実物でも細く隙間があるのを表現。最後部のリングは内側にネジが切ってあり、それを回転させることで、直前の突起のあるリングを締め付け固定する役割を担っているようです。隙間はその「締め付け/緩め」のためのもの。

    下写真はwikimedia commonsより引用。中間のリングの偏心の具合がよく判ると思います。このリングの下には左右二またになった突起があります。これはオリジナルの97年式野砲では砲身と一体ですが、PaK97/38では新たに別体になっているわけです。

    mini_800px75_pak_9738_mikkeli_7.jpg

    突起部分のパーツは以下のようになっています。左からドラゴン、イタレリ、RB。

    mini_F1017683.jpg

    ドラゴンは明らかに前後幅が不足、RBのエッチングパーツはだいぶ厚い板材を使っていますが、それでも実物に比べ「単に板を曲げました」という外見で(実際にその通りですが)、実物の金属ブロック風の感じに欠けているため、ここもイタレリのパーツを使用することにします。ただし左右幅があり過ぎるので、真ん中で多少切り詰めました。

    さて、実物におけるこの突起について、ドイツで改修するにあたっても、わざわざ新パーツを作って残すだけの重大な意味がどこに?……とずっと疑問だったのですが、模型を作りつつ、web上のあちこちで資料を漁っていてようやく用途が判明。突起の左右に付いた丸部分は、砲身が後座した際にレールに収まるローラーだということが判りました。

    mini_f10177353703.jpg

    この砲では、砲身の①、②の側面にボルト頭が出ていますが、この下にも複座レールに収まるローラーが付いています。射撃時に砲が後座すると、①のローラーはレール後端を飛び出してしまうのですが、その代わりに、砲口部のローラー③(写真では付いていませんが)がレールに収まるという仕組みです。

    場合によってはレールにゴミとかホコリとかが入りやすそうな気もするし、これはいったい頭がいいのかバカなのか……。単にレールを後ろに伸ばしゃあいいじゃないか、と言いたくなりますが、元の97年式野砲は単脚式なので、仰角を稼ぐのに揺架を短くしておきたかったのではと想像しています。いや、それにしたって砲身自体は後座するわけだしなあ……。ちなみにアメリカにおける改良型は、もともとレールに収まった部分のローラーを増やすことで砲口部のローラーをなくしているようです。

    mini_F1017727.jpg

    尾栓は隔螺式でも鎖栓式でもない、この砲独特の形式となっています。円形であるという点では隔螺式に似ていますが、(回転式とはいえ)スライドさせて開閉するという点では鎖栓式に近い感じ。その手探りな工夫が、いかにも「近代火砲の先駆け」的な気がします。

    砲尾は、(砲腔から偏心して尾栓が付いているので)下側に向けて太くなっていて、キットも一応はそうなっていますが、特徴的な段差が表現されておらず、また、(左右対称ではなく)右下方向に偏って下ぶくれになっているのも無視されているため、プラバンを貼り増して削りました。また、左右のレールガイドなど、その他若干のディテールも足しています。

    編集者 かば◎ (2017-09-03 19:36:23)


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    #4 2017-09-03 21:15:34

    パッヘルベル
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    Re: 1:35 75mm対戦車砲PaK97/38

    ちなみに、砲身長の定義には閉鎖器の長さを含めるのと含めないのと2通りあります(含めない方が一般的です)。私は口径×砲身長の単純計算で算出し、閉鎖器を含めないものとして製作しています。私の工作精度上は閉鎖器の長さは誤差範囲です(本当にスケールモデラーなのか?)。

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    #5 2017-09-03 22:33:01

    かば◎
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    Re: 1:35 75mm対戦車砲PaK97/38

    >パッヘルベルさん

    この大砲の場合、閉鎖器部分は砲身とまったく一体なので、含めていそうな気がします。
    しかし一方で、考えてみると、薬莢のオシリは尾栓の前にあるわけなので、閉鎖器部分を含めてしまうのは「何かチガウナー」感もありますね。

    ……いや、私自身も(少なくともこの大砲では)各部のバランス等は気になるものの、砲身長とか全長とかは「見て見ないふり」です。
    そもそもRBの砲身に付け替えた段階で、イタレリより1mmくらい長くなってしまっていたような。


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    #6 2017-09-04 19:45:53

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    Re: 1:35 75mm対戦車砲PaK97/38

    ●揺架の工作です。

    この砲の揺架の後端には受け皿のようになった部分がありますが、ここはオリジナルの97年式野砲にはなく、ドイツ側で追加されたものです。

    砲架以下はまるごとドイツ製の50mmPaK38から流用ですが、ここはその新しい砲架に古い砲をフィットさせるために付け加わっているもので、いわば第一次大戦前の野砲から第二次大戦の対戦車砲への改修のミソ的な部分と言えると思います。あまり写りが良くない写真で失礼します。

    mini_F1017728.jpg

    ① 受け皿状の部分の後端左右には四角い穴があります。これは後々述べる、脚部分にあるトラベリングロックがはまるところです。内側には補強のブリッジ状のリブがあります。

    ② 対戦車砲として砲手が発射できるようにするため、97年式野砲の発射機構とのリンク機構があります。受け皿部分に穴が開いていて、下面にも一部が飛び出ています。

    ③ 砲架左側から、発射機構操作用のワイヤー(いわば「レリーズ」みたいなもの)が伸びていて、受け皿部分の横にワイヤーが通る穴が開いています。イタレリのパーツは窪みのモールドがなぜか左右両方にあるので、左側は貫通させ、右側は埋めます。

    ④ 何の用途かよく判らないディテールを追加。

    ⑤ 俯仰軸のベロは、イタレリもドラゴンも上の写真のようになっているのですが、実際には、このモールドの中にある横並びの4つのボルトが揺架への固定用のものと思われます。ある程度組み立ててから、「あれ? 何か砲身の位置が合わないんじゃない?」と気付いて後から修正しました。下が修正後の写真。

    mini_F1017747.jpg

    イタレリのモールドは削り飛ばしてしまったので、基本、ほぼ同じ形状のドラゴンのモールドを、下部を切り詰め、位置を低めて移植しました。まるで別設計なのに、両社のキットでここだけ同じ解釈というのも不思議ですが、イタレリが先行のドラゴンのキットを参考にしていてうっかりそのままマネしてしまったのかも。

    また、この受け皿状の部分の下面には、俯仰用の円弧状のギアも付きます。ドイツで追加された部分に付いていることで判るように、このギアもPaK38用砲架に合わせたもので、元の97年式野砲は旧式な感じのロッド式の俯仰機構が、もう少し前方に付いているようです。このギア周りの処理に関してはまた後ほど。

    編集者 かば◎ (2017-09-05 16:56:58)


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    #7 2017-09-05 20:18:28

    かば◎
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    Re: 1:35 75mm対戦車砲PaK97/38

    ●砲架の工作です。ここから先は、たぶん、50mmPaK38を作る方にもある程度参考になるのではと思います。

    まずは右側面。
    こちら側にはあまりごちゃごちゃしたディテールはなく、ただ、中央部に銘板が付いているので追加します。

    mini_F1017716.jpgmini_F1017720.jpg

    砲耳軸に繋がるシリンダー(たぶん平衡機)は、イタレリ、ドラゴンともに本体とフォークが一体モールドになっています。そのままでも防盾に隠れてほとんど見えなくなるんじゃないの?と言われればその通りなのですが、やはりちょっと気になるので作り直し。砲耳軸に繋がるフォーク部をドラゴンのパーツから、シリンダー下の蛇腹部分はイタレリのパーツから。本体はランナーに、若干のディテールを追加工作しました。

    ちなみに元の97年式野砲では、砲耳(俯仰軸)は揺架のもっと前方に付いていて、たぶんそこが重心位置。PaK97/38では後ろにずらしているので、重心バランスを補うために平衡機が必要――ということではないかと思います。まあ、PaK38にも同じものが付いているわけですが。

    前回、揺架部分で触れた、揺架下に付いている円弧状の俯仰ギアは、イタレリでもドラゴンでも砲架側と接続していない「な~んちゃってギア」になっています。ドラゴンには不十分ながら砲架側の受けの一部?のようなパーツがあり、それを元に切ったり盛ったりして接続部をでっち上げています(全体写真で砲架内側に見える色違いの部分)。

    ●砲架左側面。PaK97/38では対戦車砲らしく、俯仰・左右動とも砲手が一人でできるようになっているので、ハンドルも照準器もこちらに集中してゴチャゴチャしています。

    mini_F1017719.jpg

    俯仰用ハンドルに繋がるウォームギアのカバーは、キットのパーツでは砲架と一体でカマボコ型にモールドされていて流石に情けないので、この辺りは一式削り取ってランナーなどを使って作り直しました。グリス注入用と思われるボルト頭なども工作。左右動ハンドル軸のパーツも一部いじってあります。

    また、砲手ガードは、パーツは真っ直ぐですが、実物は後端がわずかに外側に折れ曲がっているようなので、ここは力業で曲げてあります。

    ●揺架下の俯仰ギアは、先述のようにイタレリ・ドラゴンとも円弧状のギア自体は揺架と一体モールドされています。

    しかし(これまた先述のように)砲架にきちんと繋がっていない――という以前に、本来、この部分はホコリ避けにカバーが掛けられていて、ギア本体は表に出ていないはず(博物館の現存品だとカバーが失われている場合があるので注意が必要)。というわけで、布カバーを作成しました。

    mini_F1017730.jpg

    単純に、ランナーのカーブ部分にシワを彫り込んだだけです。

    ●揺架も取り付け、ある程度工作が済んだ砲架。

    mini_F1017749.jpg

    ハンドルはわずかに見た目がいい(と思った)ドラゴンを使用。俯仰ハンドル中央には発射ノブを追加。
    その付け根からは、前回書いた(揺架後端の)発射リンク機構にワイヤーコードを伸ばしランナーで追加。

    上で作った俯仰ギアのカバーは適当な長さに切って、ギアの付け根部分だけキットのモールドを流用して揺架・砲架を繋いで接着。この時点で砲の俯仰可動はスッパリ諦めています。

    mini_F1017751.jpg

    照準器の架台(照準器本体は無し)はドラゴンのパーツを流用していますが、実物の架台とちょっと形が違っていたり、またそのままでは砲架のあちこちと干渉したりするので(どうせ可動にはしないにしても気になる)、切ったり貼ったり削ったりして調整しました。

    ……あれこれ端折っているので、もしも「ここはどうしたの?」と気になる部分がある(奇特な)方は突っ込んでいただければと。

    編集者 かば◎ (2017-09-06 12:34:15)


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    #8 2017-09-05 21:02:22

    urasof
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    登録日: 2011-11-27
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    Re: 1:35 75mm対戦車砲PaK97/38

    布カバーの作成は、ちょっと目からうろこでした。こういうディティール工作って、
    ある意味、その人の人格というか、個性というか出るところですよねぇ。
    ワクワクしながら拝見してます。

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    #9 2017-09-05 21:46:44

    REV3
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    登録日: 2012-03-11
    投稿: 934
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    Re: 1:35 75mm対戦車砲PaK97/38

    工作にどんどんハマっていく感じが、気持ちいいです。
    作れば作るほど、ホント課題がどんどん出てくるんですよね。

    更新楽しみです。


    必要は発明の母、そして愛は心の仕事!

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    #10 2017-09-05 22:52:26

    かば◎
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    登録日: 2015-04-27
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    Re: 1:35 75mm対戦車砲PaK97/38

    urasofさん、REV3さん、どうもありがとうございます。

    製作自体は2年半以上前で、結構「あっちをいじったりこっちをいじったり、行ったり来たり」状態だったものを再構成して、ブロックごとにまとめて書いています。

    ブログでもリアルタイムで製作記を一度書いているので、パパッとまとめられそうなものですが、すでに自分でも「あれ?ここどういうつもりでいじったんだっけ」というのが判らなくなっていたりして(^^;

    なるべく、実物の「ここはこういう理由でこういう形」というのが判る製作記にしたいのですが、私自身もよく判らない部分も多いので、中途半端はご容赦ください。

    編集者 かば◎ (2017-09-06 09:39:17)


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